夫婦で話そう!一緒にやろう!家庭のこと

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ママの希望を叶えるために

ママが、働きたい、地域活動に関わりたいと思ったとき、一番のサポーターにも、障壁にもなるのがパパの存在です。
ワンオペ育児にならないように、夫婦で協力しながらお互いが充実した生き方を探りましょう。

うちの妻は、正社員としてフルタイム勤務しています。子どもが生まれてからも働き続けたいと、長男の時に会社で初の産休・育休を取得して復帰。その後次男・三男を授かって3人の子育て中です。
子どもと僕だけの時間は、最初は不安もありました。食事は?泣いたときどうする?体調が悪くなったら?などなど。でも、妻と助け合い、困った時には実家の親にも連絡し、手さぐりでもやればできるものでした。
今ではとても楽しめています。

家事や育児、やったことがなければ「難しい」と感じることも多いと思います。だからと言って、やらなければいつまで経っても初心者。 子どもと一緒に、パパも成長していくのが子育ての醍醐味かもしれません 。夫婦でしっかり話し合い、協力しながら取り組んでみましょう。

パパが家庭のことにかかわるメリット

家庭のことをママしかできない状態はワンオペ育児の素。何としても回避したいものです。それだけでなく、家事・育児を夫婦のどちらがやってもOKな状態を作っておくと、いざという時も慌てなくて済みます。
また、共稼ぎができると、経済面で安定・安心できる効果もあります。
家庭にとって大きなリスクマネジメントになる「夫婦で家事・育児」。ママ、パパ、子どもにどんなメリットがあるのでしょうか。

(1)ママにとって
◇時間と精神的な余裕で育児ストレス軽減
◇子育てに前向きな気持ちになれる
◇やりたいことに目を向けられる

家事と子育ては年中無休。乳幼児期には、ほぼ24時間で赤ちゃんに対応しなければなりません。
それをすべて一人でやるとしたら?・・・考えただけでも大変なのは分かります。
余裕がなくなってしまったら気持ちも滅入ってしまいます。そこに子どものワガママな要求が重なったりするからイライラ最高潮に!
一緒にできる相手がいる、相談できる人がいるのは、物理的な負担が軽くなるだけでなく、精神的にも心強いものです。ちょっとしたことを相談するだけでも気持ちは前向きになれます。一番身近なサポーターはパパなのです。

時間的な余裕ができたら、自分のことにも目を向けられます。仕事につながる勉強をしたり、純粋に好きなこと時間が使える。
うちの妻の場合、好きな時間はドラマと読書。それがストレス解消になっていると言います。
ママがイライラしていると、家全体がピリピリしますもんね。


(2)子どもにとって
◇健やかな発育にいい影響がある
◇子どもの興味や価値観が広がる
◇子どもの自己肯定感が高まる

身体を大きく動かして遊ぶことは、ママよりもパパの方が得意。親子で元気に遊ぶことで身体が育ちます。
会話のなかでは、大人の話を理解しようとして子どもの知性が育ちます。

国立青少年教育振興機構の「高校生の生活と意識に関する調査(平成27年度)」によると、日本の高校生は「自分はダメな人間だと思うことがある」と回答した割合が高い傾向にあるそうです。
要因はひとつではありませんが、親にしっかり愛されていると感じられると、自分は自分でOKと思えるようになります。夫婦でしっかり子どもに向き合ってあげることが大切です。


(3)パパにとって
◇人生が豊かになる
◇幸せな気持ちになれる
◇生活力が身につく

子どもとの関りは、 仕事と家庭の行き帰りだけでは見えないものに気づかせてくれます。柔軟なものの見方やおもしろい発想で、大人の視野を広げてくれるのです。
保育園・幼稚園・学校などは、父親という役割だからこそ関われるコミュニティです。同じ経験や悩みを持つ仲間がいて、地域ともつながりを作れるチャンスです。
人と人とのつながりは、人生を支えてくれる大きな基盤になります。


(4)その他
◇2人目以降が生まれやすい
◇子どもも巻き込んで戦力アップ

夫の家事・育児時間が長いほど、第2子以降の出生割合が高いというデータがあります(厚生労働省「第6回 21世紀成年者縦断調査」平成21年)。30代の母親が第2子を産まない理由の多くが「夫の非協力」にあるそうで、僕もそんなお話をよく伺います。
「家庭のことは夫婦でやるのが当たり前」という環境をつくっておきたいものです。
その様子を見ると、子どもも自然と手伝ってくれます。初めはぎこちなくても、少しずつ出来ることが増えて立派な戦力に。どこかで聞いたような話ですね(笑)
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夫婦の家事の意識合わせ

既婚夫婦に対する家事内容のアンケート(花王生活者健康センター「家事をする既婚男性の意識・実態」 平成19年)によると、夫が家事をしていないと答えた女性ほど「生活に満足していない」という率が高く、さらには「離婚したい」と答えた人も多かったそうです。
ママに切り出されて取り返しがつかなくなる前に、しっかり意識合わせをしておきましょう。
家事レベルを上げられたらそれは素晴らしいことですが、苦手なら苦手なりにきちんと話し合ってお互いが納得することが大切です。

(1)「やりたいこと」「できること」と、「やってほしいこと」
パパは時間がある時にやりたいことをやれるだけ。・・・ってなってませんか?
夫婦で納得できていれば問題ありませんが、不公平になっていないか十分に確認する必要があります。
家庭のことは一緒に協力しあうのを土台にしたいですね。「お互い様」の気持ちで、まずはそれぞれが「やってほしいこと」を出し合うことがスタートです。

(2)何をもってやったと言うか
家事のすれ違いで多いのが、完了状態の不一致。
自分は終わったつもりでいたのに、相手にとってはまだやることが残っているという状態だと、やればやるほど不満が大きくなってしまいます。
例えば、食後の片づけ。 食器を洗って終わりでいいのか、食器棚にしまうところまでやるのか、夫婦で共有しておくことが大切です。
ちなみに、これに関しては、「生ゴミの始末までやるのが基本」と考えておくのがベター。 生ゴミを扱うことに苦手意識があるかもしれませんが、それはママだって同じこと。 毎日の生活に欠かせないからこそ、率先してやっておきたいものです。
生ゴミ処理機で肥料にして再利用もできるので、趣味につなげて楽しみを見出す上級者もいます。

(3)やらなくてもいいものを探す
省略したり、回数を減らせる家事、ありませんか?
たとえば、我が家では風呂上りに着る下着やパジャマはたたみません。大きなカゴに全員分の着替えを入れて、着るときにそれぞれが取り出しています。手間を省いてラクになりました。
やらなくてもいいものを夫婦で探してみましょう。完璧を目指さないことがポイントです。
食器洗い機やお掃除ロボなどの便利家電を取り入れたり、家事代行サービスを使うという手段もありますよ。

(4)我が家ルール
茶碗の洗い方、洗濯物の干し方・たたみ方、夫婦でやり方が違うことはありませんか?これがちょっとした言い争いの種になったり、やり直しでやる気を失う話もあるあるネタです。どちらかのやり方を採用するとか、夫婦の新しいやり方をつくるとか、「我が家ルール」を話し合いましょう。
僕の家庭では、「相手がやっている時は口出ししない」がルールになっています。




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最後まで読んでくださってありがとうございます。
夫婦でどんなことに取り組めるか、さっそく話し合ってみてはいかがでしょうか?

次回は
「パパの育児力アップ」についてお伝えします。
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吉村伊織
ファザーリング・ジャパン九州代表理事
心理カウンセラー

長男(中1)、次男(小1)、三男(3歳)と妻の5人家族。 心理カウンセラーとして、人間関係改善、部下育成、メンタルヘルス等の研修、講演、セミナー活動を行なう。

プライベートでは小学校のPTA会長を務めながら、NPO法人「ファザーリング・ジャパン九州」の代表理事として、父親の子育て・夫婦の在り方、地域との関わり、ワークライフバランス等をテーマにした講演を行っている。