ふるさと納税にチャレンジしてみましょう

目次

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1.ふるさと納税とは
2.ふるさと納税は節税ではない?
3.ふるさと納税を行う際の注意点
4.寄付金額のシミュレーションを行いましょう
5.シミュレーションを行う際の注意点
6.寄付をして終わりではなく、確定申告をして初めてお得になります
7.ふるさと納税をされる方が急増しています
8.おわりに

1.ふるさと納税とは

高額の返礼品問題など、プラスの事ばかりではありませんが何かと話題のふるさと納税。
興味はあるけれど、まだチャレンジした事がない方もいらっしゃると思います。
12月となり、今年の手続きの期限が迫ってきました。
ふるさと納税をやってみようと思われている方のために、概要と注意点を整理したいと思います。

2.ふるさと納税は節税ではない?

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実はふるさと納税は節税ではありません。
ではどのような制度なのでしょうか?

図にあるように、2千円の自己負担でお礼品を受け取る事が出来る。
これがふるさと納税のメリットです。
寄付金の支払いでお金は出ていきますので、税金の控除があったとしても手元に残るお金は2千円減少します。
ここをしっかり押さえておきましょう。

手続きとしては、はじめに寄付金の支払いをします。
そして、翌年に支払う所得税と住民税から税金が差し引かれるという仕組みになっています。

3.ふるさと納税を行う際の注意点

ふるさと納税は、まず寄付金を支払い、その後自分自身の所得税・住民税が差し引かれ差額の2千円の負担のみでお礼品が受け取れる事がメリットです。
ですから、そもそも所得税・住民税を負担していない人(年間103万円以内で働かれている方など)は差し引かれる税金がないため、金銭面でのメリットはありません。
扶養内で働かれている方などは、自分の名前でふるさと納税をするのではなく、配偶者の方の名前でふるさと納税をする事をご検討下さい。
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自己負担2千円でお礼品を受け取る事が出来るのがふるさと納税のメリットです。
ですが、寄付金をいくら支払っても2千円の自己負担で済むという訳ではありません。
収入状況(税金の負担状況)などにより上限金額は異なってきます。
右の図で例を見てみましょう。

図の方の自己負担2千円となる寄付金額は2万円です。
この方が2万円の寄付をしても5万円の寄付をしても、税金の控除は1万8千円で変わりません。
結果として5万円寄付した場合は、自己負担3万2千円でお礼品をもらった事になります。
場合によってはお礼品の価値よりも多くの自己負担をしなければならないという事にもなりかねません。

4.寄付金額のシミュレーションを行いましょう

ふるさと納税の一番の肝は、自己負担が2千円で済む寄付金額の上限を知る事です。
ふるさと納税サイトなどで簡単にシミュレーションが行えますので、自分自身で試算してみましょう。

5.シミュレーションを行う際の注意点

個人事業主の方は、利益が前もって確定しない事もありシミュレーションがやや難しくなります。
これに対して給与のみの収入の方は、源泉徴収票があれば簡単にシミュレーションが出来ます。
ただし、以下2つの注意点があります。

今年の源泉徴収票は12月にしかもらえない。
会社からもらう源泉徴収票は12月の最後の給与が決まった後にしか発行されません。
12月の下旬にようやくもらえるという方も少なくないでしょう。
この場合には、前年の源泉徴収票を参考にするという方法があります。
給与額が前年と大きく変わる場合は注意が必要ですが、前年の源泉徴収票を参考に限度額をシミュレーションして、少し余裕をもって(やや低めの金額で)寄付をしておきます。
そして、本年の源泉徴収票が発行されたら再度シミュレーションを行い、上限額までまだ余裕があれば追加で寄付をするという事も可能です。

住宅ローン減税を受けている方は注意が必要。
住宅ローン減税を受けている方は、受けられていない方と上限額が異なってくる場合があります。
住宅ローン減税を考慮してシミュレーション出来るサイトもありますので、この項目を忘れずに入力してシミュレーションされて下さい。

6.寄付をして終わりではなく、確定申告をして初めてお得になります。

お礼品を選ぶのは楽しいものです。
ただし、寄付をしてお礼品を受け取っただけでは税金は控除されません。
必ず確定申告をして税金の控除を受けましょう。

条件を満たせば、確定申告不要のワンストップ特例という制度もあります。
ただし、確定申告が不要でも申請手続きはあります。
どちらを選んでも税金の控除を受けるためにはひと手間必要となります。
忘れずに行いましょう。

7.ふるさと納税をされる方が急増しています。

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グラフで分かるように、ふるさと納税をされる方が急増しています。
テレビなどでもよく取り上げられていますし、関心の高さがうかがえます。

8.おわりに

ふるさと納税そのものには賛否両論ありますが、今まで会社まかせで税金というものにあまり関心がなかった方が、ふるさと納税を入口に自分で確定申告をしてみようと思ったのであれば、素晴らしい事ではないでしょうか。
確定申告をすれば有利になる制度は他にもあります。
申告書を作成する中で少しずつ税金の仕組みを理解して、未来にお金を残す方法を考えたり、税金制度の思想に興味を持ったり。
そんなきっかけになるかもしれないふるさと納税。
ご興味がある方はチャレンジしてみて下さい。
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伊藤健太郎
伊藤健太郎税理士事務所 代表

法人・個人のクライアントに対する顧問業務、クラウド会計導入支援、バックオフィス効率化支援などの創業支援に力を入れている。
「会いたい税理士・会える税理士」として女性起業家からの依頼も多い。