お母さん防災士の黒屋あやと申します。
前回に引き続き、家庭で取り組める『頑張らない防災』についてお届けします。
防災というと、難しいこと、面倒くさいこと、お金がかかること、無駄になるかもしれないこと、そして何より、怖いからできれば考えたくないことではないでしょうか。
数年前まで、わたしもそんなふうに思っている母親でした。
ですが、熊本地震の際に、備えの大切さを身をもって体験し、それ以降は普段の生活に+αの『頑張らない防災』で自分なりにできる備えを続けています。
わたしは福岡市東区に住んでいます。熊本地震の時、末っ子はまだ0歳で夜中の授乳も続いていました。真夜中に体験したことのないような大きな揺れの中で、「何としてもこの子たちを守らなければ!」「この子たちを守れるのはわたししかいない!」と思いました。自分の中の防災スイッチが入った瞬間でした。
福岡は被災地ではありませんでしたが、スーパーからは水やカセットコンロやガスボンベ、乾電池や懐中電灯が消えました。インスタント食品レトルト食品も品薄となりました。そして0歳児を持つ母親としてあの時とても困ったのは、いつも使っている紙おむつやおしりふきやミルクが手に入りにくくなったことでした。
物流の混乱もあったと思いますが、必要なものが買えなくなるかもしれないという不安からの買い占め、また、被災地の困っている方へ何かしてやりたいという善意からの買い占めも多かったように思います。
直接被災しなくてもパニックには巻き込まれるのだということを経験し、無関心でいてはいけない、普段から備えておくことが必要なのだと学びました。