働くママでも今日から取り組める『頑張らない防災』2(全2回)

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普段から備えておくことの重要性

お母さん防災士の黒屋あやと申します。
前回に引き続き、家庭で取り組める『頑張らない防災』についてお届けします。

防災というと、難しいこと、面倒くさいこと、お金がかかること、無駄になるかもしれないこと、そして何より、怖いからできれば考えたくないことではないでしょうか。
数年前まで、わたしもそんなふうに思っている母親でした。

ですが、熊本地震の際に、備えの大切さを身をもって体験し、それ以降は普段の生活に+αの『頑張らない防災』で自分なりにできる備えを続けています。

わたしは福岡市東区に住んでいます。熊本地震の時、末っ子はまだ0歳で夜中の授乳も続いていました。真夜中に体験したことのないような大きな揺れの中で、「何としてもこの子たちを守らなければ!」「この子たちを守れるのはわたししかいない!」と思いました。自分の中の防災スイッチが入った瞬間でした。

福岡は被災地ではありませんでしたが、スーパーからは水やカセットコンロやガスボンベ、乾電池や懐中電灯が消えました。インスタント食品レトルト食品も品薄となりました。そして0歳児を持つ母親としてあの時とても困ったのは、いつも使っている紙おむつやおしりふきやミルクが手に入りにくくなったことでした。
物流の混乱もあったと思いますが、必要なものが買えなくなるかもしれないという不安からの買い占め、また、被災地の困っている方へ何かしてやりたいという善意からの買い占めも多かったように思います。
直接被災しなくてもパニックには巻き込まれるのだということを経験し、無関心でいてはいけない、普段から備えておくことが必要なのだと学びました。

いつもの生活にプラスでできる、簡単防災10例

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とはいえ、もしもの時のために今を生きているわけではないので負担が大きなことは続きません。また、働くママはいつも何かに追われているように忙しく余裕がないことも知っていますので、いつもの生活に+α程度の防災をおススメしています。

わたしは防災士で備えの大切さをお伝えする立場でありますが、とても面倒くさがりの主婦です(笑)
そんなわたしがいつもやっていることをいくつかご紹介しますね。

〇車のガソリンは半分を切ったら給油する
→いざとなったら逃げられるという安心。電源の確保にもなる。寒さ暑さをしのげる。

〇外出時には必ず水分を持ち歩く(わが子たちにも各自水筒を持たせる)
→水はいのちに直結する大切なものなので持ち歩く習慣付けは大事

〇飴やナッツなどすぐに食べられるものを持ち歩く
→いつどこで被災するかわからない。空腹を極力避けるため

〇冷蔵庫がすっからかんという日を無くす
→冷蔵庫や冷凍庫も備蓄食料とカウントしている

〇日頃食べる、レトルトカレー・インスタントラーメン・冷凍うどん麺・レトルト食品・缶詰・乾物など、日持ちをする食品を多めに買っておき切らさない
→避難所に行っても食料はアテにできないという実情を知っているため、自宅にはいつも食べているものが最低3日分程度は常にあるという状態にしている

〇お米は未開封の5キロの袋が常にある状態にしておく
→最悪、水・米・塩があったら一週間は食べつなぐことができる

〇紙オムツとおしりふきは一袋多めに買う
→熊本地震後しばらく入手困難になった経験から。現在は全員オムツが外れたけれど、精神的に不安定になることも考え、1袋保管しています。

〇家の鍵や車の鍵と共に、ホイッスルと小さなLEDライトを持ち歩いている
→突然真っ暗となった時のパニックを避けるため。また、自分の存在を知らせるため。

〇充電済みのモバイルバッテリーを持ち歩く
→携帯電話が主な情報収集手段なので、電池切れを防ぐため

〇緊急時に連絡を取りたい先の電話番号のメモを財布や携帯に入れている
→携帯の充電切れに備え、安否確認に必要な情報は紙でも持ち歩いている


いくつかご紹介しましたが、たぶん、「そんなこと難しくてできない!」というようなものは無かったのではないでしょうか。むしろ、「そんなことでいいの?」と拍子抜けされた方もいらっしゃるかと思います。
防災には正解はありませんので、あなたが少しでも安心に近づくことができれば、それはりっぱな防災だと言えると思います。
例えば、天気予報をチェックする、これだって立派な防災です。

難しく考えずに、「もしもの時に役に立つことはぜーんぶ防災」。
そのくらい柔軟に考えてみてくださいね。

全部じゃなくていい。自分に必要な防災の用意を

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現代はインターネットが発達していますし、知りたいと思ったことは、ちょっと調べればすぐに情報を得ることが出来ます。例えば、『被災時に役立ったもの』と検索すればたくさん情報を得ることができますよ。その中から自分がなるほど~と思ったものを揃えていくというのもいいかもしれません。

わたしたち日本人って、何かと「ちゃんと・しっかり・きちんと」しないといけないと思いがちですよね。国民性ですかね?
防災に関しても、「本に載っているリスト通りに全部きちんとしっかり準備しなければいけないからいつかちゃんとやろう」というように、後回しにしがちなのではないでしょうか。

わたしの経験から、それではいつになっても、防災に取り組む日なんてやって来ません(笑)
大地震があなたの街で起こるのが明日かもしれないのに。

ちゃんと・しっかり・きちんとを手放して、まずは、防災のイメージを変えることから始めてみましょう!
writer
黒屋あや   (くろや あや)
 お母さん防災士として、小さなお子様を持つお母さん向けの防災講座を実施しています。
また、MCS認定マザーズティーチャーとして、お子様とのどんな毎日もが宝物になる講座を実施しています☆