偶然をチャンスに！　～私が好きなキャリア理論「プランド・ハプンスタンス・セオリー」～

私は「キャリアカウンセラー」という仕事をしています。
どんなことをする職業か、ご存知でしょうか？
私自身はそれを仕事にしているので、当たり前のよう思いますが、一般的にはご存じない方がまだまだ多いようです。「カウンセラー」のほうはイメージできるのかもしれませんね。悩んでいる方の話しを聴いて差し上げて、適切に対応する・・・そんなイメージですしょうか。

では、「キャリア」とはどんなイメージでしょうか？
「キャリアウーマン」「バリキャリ」「キャリアセンター」・・・なんだかキリッとしたイメージやビジネスの色が濃く感じられますね。だから「私にはあまりピンとこない…」と思う方もいるかもしれません。

「キャリア」とは一言でいえば「経歴」のこと。
「経歴」は誰にもありますよね。生きている限り「経歴」は繋がっていきます。「career」は「車の轍（わだち）」が語源という説もあります。誰もが歩んできたその「足跡」の事です。 　キャリアカウンセラーはそんな誰でも持っている「経歴」「足跡」である「キャリア」について支援をする仕事です。

では、どんな支援でしょうか？
具体的には、就職や転職活動の支援、今後のキャリア形成に関する支援などがあります。個別に面談し、「キャリアカウンセリング」を行います。 　
「キャリアカウンセリング」の定義は、「発達的視点に立って、成長と適応という個人の積極的側面に強調点を置き、個人が環境の中で効果的かつ自律的に機能できるように支援すること。自己概念の開発を通してキャリア形成を図ること。」 　
む、難しいですよね？一度聞いただけでは理解不能です。 　分かりやすく言うと、「一人ひとりが、社会の中で自分らしさを大切にしながら成長発達できるように支援すること」 　どうでしょうか？自分にも大いに関係があり、大切なことだと思いませんか？

キャリアは環境や状況で変化します。もしかしたら、右肩上がりばかりではないかもしれません。右に行くと？左に行くと？手に入れる？手放す？そんな選択に迫られることもあります。 　

そんなキャリアで立ち止まってしまった時に、是非思い出していただきたい私の大好きな理論があります。 　キャリアの理論家ジョン・D・クルンボルツの「プランド・ハプンスタント・セオリー」（計画された偶然性理論）です。 （※現在は「ハプンスタンス・ラーニング・セオリー」となっています。） 　

現在のような混沌とした、変化の激しい社会では、予測できないことばかりです。将来の計画を立てることは大切だけれど、それを絶対視するのではなく、「偶然の出来事」を「キャリアの機会」として捉えようという理論です。
クルンボルツ「偶然の出来事」を「キャリアの機会（チャンス）」に変えるには「5つのスキル」が必要だと言っています。
①好奇心：新しい学びの機会を模索せよ
②持続性：失敗に負けずに努力し続けよ
③柔軟性：姿勢や状況を変えよ
④楽観性：新しい機会は必ずやってきて、それを自分のものにすることが出来ると考えよ
⑤冒険心：結果がどうなるか見えない場合でも行動を起こせ

世の成功者の8割は「偶然の出来事をチャンスにした」と言われています。
先日テレビで黒柳徹子さんが話されていました。「絵本が上手に読めるお母さんになりたかったんです。そんな時、新聞にNHKのテレビ女優の募集があったので、応募したのがきっかけです。」
私がキャリアカウンセラーになったのも、そんな「偶然の出来事」からでした。
職業訓練校でパソコン活用技術を身につけました。その職業訓練校から事務職で来ないかと誘われたのです。その職業訓練校では「キャリア形成」の時間があり、事務をしたことでキャリアカウンセラーという仕事があることを知りました。 　
職業訓練を受けなければ、誘いを受けなければ、「キャリアカウンセラー」へ続く道はなかっただろうと思います。

みなさんもそのような出来事はありませんか？
常にアンテナを張り、いつでもチャレンジできる姿勢を持つことが、偶然の出来事をキャリアのチャンスに変えてくれます。
そう考えると、ワクワクしてきませんか？

明日起こる偶然の出来事が、皆さんの未来のキャリアに何かをもたらすかもしれません。


 ※お勧めしたい本「偶キャリ」（所　由紀・著）

キャリアカウンセリングをご希望の方はこちらからどうぞ
http://wlb.mamacareer.org/counseling